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2013年9月17日 (火)

風来坊「胡蝶譚」 その5

「そうだな、貴女を選んだのは、古い昔話になる。昔、我が一族が、自分達の世界が収縮し滅びるに際し、別世界への移住を試みた。別世界は、ひとつではなく、いくつかの世界へと別れて旅立ったとされている」
「そのひとつが、この世界で、もうひとつが、私の居た世界なのでしょうか」
「他にも、いくつかの世界に飛び込んで行ったハズだが、我らの一族は残っていないようであった。残ったのは、私の世界と、貴女の世界くらいであったようだ」
「なぜでしょう」
「そこまでは、わからぬ。我らが、一族は、一人で銀河くらいは、砕ける力を持つ者達であったはずだが、世界によっては、その力が発揮できぬ状況もあったようだ。貴女のように」
「私?私にも世界を砕ける力があるのでしょうか?」
「さて、貴女の力の量からいえば、そこまではなかろう。この世界では、せいぜい、恒星を砕く程度だ」
「それでも凄い力なのですね」
どうすれば、その力が使えるのだろうという疑問がわく頃、
「今は、無理だろうな。貴女は、導術の基礎もできておらぬ。基礎ができれば、王族でもトップクラスの能力だ。その時には、この世界であれば、恒星のひとつやふたつは、砕ける力となっている」
「そうなのですか、はい。ありがとうございます」
「我らが、一族は、世界の覇者を目指し、覇者となった者たちで、最後にすべての一族から世界の覇者を決めようというのが、我らが一族の目標であった」
「そして貴女は、この世界の王となられた?」
「そうだ。そなたは、違うようだがな」
「はい。私の世界では、私は自分ひとりの王でしかありません」
ま。自分ひとりの王であることも、難しいモノだとは思うけどね。
「ははは。力では、世界も砕けるが、私もまた私ひとりの王でしかない。皆は、私を怒らせないように、精一杯仕えてくれているようだが、どこまでも独りなものだよ。力が強すぎて、近付くことも難しい」
「そなたの力は、かなりのモノだからな、私が傍にいても自分で在り続けられるし、ほとんど影響を受けないでいられる」
「もしかして、私の傍にいた男を離したのは、そのためですか」
「そうだな。あの男の力では、私の近くに寄るだけで、塵になってしまう。危なく灰にしてしまうところであった」
あらら、困ったわねぇ。力を得るということは、人に近付けなくなるということか。

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