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2013年9月17日 (火)

風来坊「胡蝶譚」 その4

 服を着けて、ベットから降りると、天蓋の付いた、巨大なベットの空間は、円形の居室のようであった。周囲の半分は、棚らしきもので埋まっていた。らしきものというのは、棚から溢れている書籍が、天井まで積まれていて、棚が隠れているからだ。
 天井は、半球形のドーム状の石造りっぽいが、まばらに白く光っている。半透明の石が組み込まれているようだ。外は、かなり明るく、木窓や扉が開け放たれていると眩しいくらいであった。外は、回廊になっているようで、さらに外側に柱が見える。
 ベットわきに、樹を輪切りにして、造った椅子と、同じく、樹を輪切りにして5,6人が座れるように造った机が置かれていた。机の上には、皿に乗っかった、パンに見える塊が山積みされた皿と、巨大な寸胴っぽい鍋、良く分からないスープっぽいものが入った深皿。良く分からない液体が入った、銀のコップが置かれていた。魔王は、対面の入口側に座って、腰をかけていた。
「朝食には、かなり遅いが、まずは腹ごしらえをしよう」
というと、女王は、パンみたいな塊を食べ、良く分からないスープを飲み、銀のコップの中身を飲み始めた。
「ありがとう。いただくわ」と言って、席に着くと、少しづつ確認しながら、食事をとった。
パンみたいな塊は、パンのようだが、何種類かあって、様々な味をしている。良く分からない木の実が混ざったのは、かなり美味しかった。スープは、中身が不明であるが、野菜っぽいのや肉っぽいのが入っていて、濃い目の豚骨っぽい味で油が浮いていたが、朝からというのにはしんどいが、それほど悪くは感じなかった。飲み物の方は、ぬるくて匂いが強いが、何かの乳で原液のようだ。ちょっと馴染むにはしんどいかもしれなかった。
 女王を見ながら、マナーはそれほど変わらないのかと考えつつ、食べて、飲んでをしていた。女王は、健啖家で、山積みのパンをほとんど食べてしまっていた。
「おかわりは、いるか」
「いえ。この量でも多いくらいで、十分です」
「そうか?私は朝も食べているが、貴女は、食べていないのだろ?」
「はい。そうではありません。十分にいただきました」
少し、形を変えて喋ってみた。どれが、魔王に感じるのかは、良く分からない。
「話し方を変えているようだが、あまり気にしなくてもいいぞ」
「そうですか。伝わり方が違うのでしょうか」
「そうだな。この空間では、言葉はイメージで伝わる。私と貴女が、イメージを共有できれば、面倒無く伝わるが、イメージを共有できなければ伝わらない」
「凄い力ですね。そのような力の持ち主が、私のような者に、どのような用件なのでしょうか?」
「そうだな。それで話を始めようか」

悠久の時の流れを、遡航するかのように、女王は話し始めた。

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