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2014年2月15日 (土)

多分、嵐のような平凡な日々02

 ニィナの母リィナは、生まれて直ぐに賊に襲われ、命を落としたので覚えていない。私にとって、母はマーヤだ。だが、マーヤはいくら母様と呼んでも、私のことは、ニィナ様と言うので、少し哀しかった。
何故と問うと
「リィナ様は、私にできないくらい、父様を支えた立派な方です。今では、玲姫様が奥様ですが、リィナ様が生きている間は、奥様はリィナ様でした」
「でも、父様はマーヤ母様を愛してます」
「当たり前です。私は、自分を愛していない男の子供は産みません」
と言われた。そんな時の母様は、頬を赤く染めて、とっても綺麗だったのを覚えている。
 マーヤの子供達は、様々な仕事をしているが、剣士はいない。父様が、見込み無しと言ってしまったからだそうだ。
 父が剣神だと知ったのは、かなり後だった。父は、強かったが、あまり剣を抜いて戦わなかったので気付かなかったし、誰も教えてくれなかった。一番身近な、マーヤ母様は"イットウ"様って呼ぶし、玲様は"貴方"と呼ぶし、"イットウサイ"と呼ぶ人はいないのだ。
 5歳の時に、父に小太刀を渡されて、始めて立ち会った。父は立っていただけなのに、凄まじい威を放ち何もできなかった。それでも父の前に立ちたくて、必死で耐えていた。耐えることしかできなかった。私が、気を失った。その夜、悔しくて、泣いていた私にマーヤ母様が教えてくれた。
「何を泣いているのですか。剣神の前で30分も立っていられた相手は、ほとんどいません。ニィナ様には、剣士としての才がおありです」
 その時、初めて父が、誰かを知ったのだ。

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