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2014年2月16日 (日)

多分、嵐のような平凡な日々03a

始めて父様と対峙して、2年の時が過ぎた頃、門の前で箒で掃いていると、巨躯に大きな剣を背負った、旅姿の男がやってきた。冒険者のようだ。殺気が溢れるように歩いてくる。だけど、父の気圧には届かない、このくらいだと木太刀が振れる。手にしていた箒を近寄る男に向かって構える。
「なんだ、嬢ちゃん。俺の気に反応したのか。まだ子供じゃねぇえか、怪我するぜ」
「ここは、あなたのような方が来る場所ではありません。帰りなさい」
「へぇ、一人前じゃねぇか。これでもかい」
背負った剣を抜き、構える。殺気が溢れるようだ。
「屋敷の前で剣を構えるなど、言語道断ッ」
構えた箒を突きだす。男は、なんでもないかのように、剣で箒を斬る。その刹那に、箒を引き、柄の先を剣で斬らせる。柄の先が、槍のように尖る。
「ハァッ」
そのまま箒の柄を、相手の心臓に向かって突き抜く。男は、慌てて引くが、柄の先が一寸ほど刺さる。
「このぉ、ガキャぁッ」
血が流れるにも構わず、大剣を横薙ぎに振りぬいてくる。
「チッ」
そのまま箒の柄で、相手を突きぬく。こっちが速いか、あっちが速いか。冒険者の胸を突きぬいたものの、そのまま大剣が振りぬかれてくる。相討ちッ。
その時、大剣の軌道が扇で止められた。
「なんだぁ」
膝を着き、倒れそうになりながら振った大剣を止められた扇をみながら、男は愕然としていた。
「俺に何の用だ」
「父様ッ」
「お前がぁ。グフォ」
吐血する。肺腑に刺さったようだ
「動くな。柄を抜くな。手を離せ、今抜くと、出血して死ぬ」
「は、はい。ツッ・・・」
手が開かない。なんか自分の手じゃないみたいだ
「動かんのか」
「は、離れません」
「そうか」
父様は、腰の小太刀を抜くと、そのまま柄を私の手の先から切り落とした。私は、そのままペタンって、座り込んでしまった。
「自分で治せるか」
「まぁな」
男は、冒険者らしく自分で治癒を始めた。
「立てるか、ニィナ・・・この男は、私に話があるようだ。マーヤ母さんのところにいっていなさい」
「え。でも・・・」
「行きなさい」
「は。はい」
父様を、怖いと思ったのは、初めてだった。

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