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2014年2月16日 (日)

多分、嵐のような平凡な日々03b2

 冒険者と父様の話が、どのようなものであったかは良くは知らない。弟子にしてくれって頼みに来たらしいけど、断ったそうだ。この夜、父様からは、小太刀を貰った。まだ私には、両手でないと扱えないけど、とっても綺麗な小太刀だった。
「この小太刀は、リィナが俺に造ってくれたものだ」
「リィナ母様が」
すこし照れたような父様は、こんなこと言うと怒られそうだけど、なんか可愛かった。
「あぁ、子供の頃に夢で見た刀を形にしてくれたものだ」
「子供の頃の夢、ですか」
「あぁ。夢の中でも俺は、剣を振っていて、目覚めてもやっぱり剣を振っていた」
父様は、剣の修業をしながら、剣士として極め、剣神と呼ばれるまでになった。魔族や獣族、妖族や鬼族、竜族すらも倒せる、人族最高の剣士、それが父様だ。
「勝てば、恨みを積み上げる。ニィナは、剣士を目指すならば覚悟しなければならない」
「覚悟ですか、」
「そうだ。試合に勝てば、恨みを積み上げる。負けるとすべてを失う。それが剣士の覚悟となる。俺としては、できれば、そんな世界にお前を送りたくは無い」
「覚悟ならあります」
「戦えば、殺し合うこともある。今日のお前は、相手を殺そうとした。そうだな」
「はい。殺さなければ、殺されると思いました」
「お前は、殺されるから殺そうとしただろう」
「は、はい、」
「それは、覚悟では無く怯えだ」
「いいか。ニィナ。相手を殺さぬ覚悟を持て」
「殺さない覚悟」
「そのために、すべてを失うこととなっても、相手を殺さない覚悟だ。その覚悟を確かめるまでは、その小太刀を抜くな」
「女であり、剣士を目指す者であれば、そのすべてを失っても、相手を殺さぬ覚悟があってはじめて、剣士として剣を振れるそうだ」
「そうだ?」
「あぁ、お前の母リィナが言っていた。女を剣士として認める時は、その覚悟をさせろと。細かくは、わからん」
「父様ッ」
「もし、本当に剣士を目指し、覚悟があるというなら、父ではなく、姜花のもとで修行となる。彼女は、唯一人のリィナの弟子だ」
母様の弟子・・・竜王が武術指南役姜花。最強の女剣士、"剣王"の称号を持つ一人。父様の"剣神"、玲様の"剣聖"に次ぐ、剣士の称号。負ける覚悟とか失うってのは、嫌だし、よくわからないけど、やる気がでてきた。彼女に認められれば、父様に認めてもらえる。私は、剣士になる!

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