鷺姫伝説と女系社会
日本という国では、太古女性が太陽であった言われるように、女系社会を形成していた。種族を維持・反映させるのに重要なのは女性であり、そして若さであった。古来日本が、末子相続を主として、女性を長とすることに違和感が無かったのも、女系社会が形成されていたためであると思われる。
ただ、戦ということに関して、女性は弱さを抱くこととなる。典型的に体弱き女性でありながら、心強き女性として、鷺姫伝説を「五位の鷺は、哀しくて」で描いたのは、そのような身体的に弱いあやかしが、精神的な強さから描いてみたかったのである。
<リンク:五位の鷺は、哀しくて>
http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/652074864/
あやかしの力を持ってさえ、人に勝てぬ身体をして、追われれば飛んで逃げるほどに弱きあやかしが鳥である。空を駆けるために、骨は軽く脆くなり、陸上を立って歩けるだけの人に抱かれると、肋骨が折れるような娘となる。
平安期に入ると、女性の家で養ってもらった男は出世して、女性を迎えるための家を建てることが、男のステータスとなるそうである。女性の家は、娘婿の力で成り上がることとなる。尊き血筋から、血沸き肉躍る力を描いて築き、京女を迎えて天下に名を馳せることが、男の夢となる。
鎌倉あたりまでは、分割相続と台所領という考え方があったものの、弱肉強食の世では、嫡子相続に男系相続への展開へと進んでしまう。
こういった流れそのものを止めようとするならば、水の技を用いて、空から色を興して、土の技を用いて、色から色を強化する
男であれば、リアルチート鎮西八郎為朝となり、女であれば、同じくリアルチートと呼ばれし、城板額御前ということになる。
どちらも、当時最強兵器である強弓使いとして名を馳せている。そして、どちらもまた、リアルチートが災いしてか、滅びの道を進んでいってしまったのである。
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