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December 25, 2008

誤差の伝搬

 何度か描いてもいるが、最近の計測結果を評価する場合は、国際度量衡委員会事務局[BIPM:bureau International des Poids et Mesures]の提言に基づいて国際標準化機構[International Organization for Standardization]が中心に評価方法のルールが、国際文書[Guide for the expression of Uncertainty in Measurement]として出されている。
このため、計測技術者は、製品を評価する場合、国際文書に基づいた不確かさ[Uncertainty]を評価する必要が生じる。また、最近は、コンピュータによるデータ集録をおこなった結果で評価することが増えたため、各計測システムを構築した場合の計測データの精度についても評価しなければならない。これは、システムを通過していく際に、計測誤差が伝搬していくと考えることで算出する。
 誤差の伝搬は、誤差の波及という言葉で表現することもあるが、ここでは、誤差の伝搬という表現を用いる。
 誤差は、製品→センサ→測定器とするような形態で伝搬していく。場合によっては、これにADCやマイコンボードなどが加わる。評価者は、構築されているシステムで、伝搬される誤差がどのように伝搬していくか、個々のシステムの評価及び通信伝送時に関する評価をおこなう必要がある。本稿では、イーサネットを介したデジタル通信伝送のように、データが伝送中に欠落する可能性が確率として存在する場合については述べていない。こういった通信伝送時のデータ欠落については、本稿では考慮していない。(デジタル通信時は、伝送時に生じる誤差を0として扱う)

 誤差の伝搬は、標本の分散を基準として考えていく方法をとっている。つまり、標本の平均を基準とし、標本との差を2乗して、加算していく方法である。
Photo
 この結果を利用して、伝搬されていく誤差は、下記式によって表現されると考えて良い。ただし、この計算式が使用可能なのは、誤差の分布が正規分布しているという条件に基づいている。測定分布のばらつきが、正規分布していない場合は、下記の式で誤差の伝搬を評価することはできない。
Photo_2
 この結果が、合成標準不確かさという形で使用可能と考えられる。
 この式を用いて、製品の評価実験をおこなう場合、測定結果の不確かさを算出する場合に用いることができる。この結果に対して、正規分布している可能性確認をせずに使用する場合は、拡張不確かさをあてることがある。拡張不確かさは、合成標準不確かさをk倍(kは自然数)することで求める。この時のkの値には、一般的に2を使うことが多い。
 時間が無い実験評価部門では、こういった演算作業を省略しておこなっていることが多い。しかしながら、手順を省略すれば、リスクが発生する。リスクが発生する時に、省略した手順の意味を知らなければ、発生するリスクについて検討することができない。製品のリスク評価をおこなう場合は、手順を省略した場合に生じるリスクは、どのようなリスクであるのかをきちんと自覚した上で、手順の省略をおこなう必要がある。私自身、評価演算をおこなう場合に手順を省略することが多い。その結果として、失敗してしまったりすることもある。

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