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January 09, 2009

保全の基礎  その7

 平均故障間隔[MTBF:Mean Time Between Failure]のバラツキ
 保全方法(BM、TBM、CBM)を決めるための評価要素としては、システムが故障するまでの時間とバラツキ、二次被害の発生という要素があり、評価しやすいのが、故障するまでの時間とバラツキである。保全の教科書的回答では、生産ライン、機器や部品のMTBFという表現をしており、MTBFが正規分布するという前提となっている。ただ、実際に正規分布しているかどうかを確かめている機器や部品は少ないが、たいがいは面倒なので、正規分布している”ハズ”で設計・開発の部品選定や保全作業をおこなっている。
 BMでの対応と、TBMやCBMの対応についてどちらを選定するかは、システムや部品が故障してから交換するまでの時間、二次被害の可能性と被害額、といった要素で決定される。

 TBMとCBMの選定については、技術的には、バラツキが大きいか小さいかで決定し、必要コスト(機器の価格だけでなく、技術者の研修費用等)を見積もること”risk evaluation”り、結果として選定をおこなう。これは、システム停止期間中の損害や、二次被害の可能性といった損失総額の大きさを含めて検討をおこない、判断するのが、リスクアセスメント”risk assessment”とよばれる行為となる。このあたりが、保全の中で最も重要な要素であり、企業における財務基盤に関わる技術基準となる。

 何度か描いてはいるが、保全について、技術基準の策定作業をおこな場合、前提となる要素のMTBFおよびバラツキを評価することが必要となるが、評価基準が無い場合は、推定で評価基準を策定する必要が生じる。開発および設計陣は、MTBFおよびバラツキの評価基準を求められた場合は、提示できねばならないが、なかなかそういう状況になっていないことが多いのが実情である。

 これは、半導体関連の部品が浸透することと、制御システムが物理的なものからソフトウェアへと変わっていったためである。半導体部品の場合、定格範囲内で使用している場合の耐久試験を実施することが困難であり、製造メーカーでは一定の稼働時間および稼働回数以上を確認すれば、それ以上の耐久試験を実施せず、耐用寿命の最低値で技術基準を策定することが多い。これは、半導体関連部品が、製造から出荷までの期間が短く、試験評価期間が極端に短期間で設定されていることが多いため、確認可能な稼働時間および稼働回数をそくていするための十分な時間がないためである。つまり、最低限この稼働時間/稼働回数までは保障するという最低保障可能期間という形態をとる。
 ソフトウェアの場合についても同様で、技術基準を定める場合の条件が、最低限保証可能な期間ということになる。こういった対応をされると、保全側の技術者は、かなり困ることとなる。評価指標で重要なバラツキに関するデータが欠落しているからである。特に、半導体関連部品やソフトウェアの場合、使用条件によってバラツキが異なるため、担当技術者はじぶんなりの評価指標を策定しておく必要がある。ここらへんが、保全側のノウハウとなり、財務指標上でリスクアセスメントに対する判断基準となる。甘すぎれば、企業の財務にとって致命傷となり、企業の存廃に関わる。厳し過ぎても、企業の財務にとって致命傷となり、企業の存廃に関わる。

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