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April 14, 2009

誤差に誤差があることとSI単位

 何度も似たような記事を描いているような気がしますが、何故、このようなことを言うのかです。その根本は、誤差の定義にあります。
 誤差=測定値-真の値
 この式には、非常に大きな欠陥とも言うべき問題が含まれています。さて、その問題とは何でしょうか?
 この式は、誤差を定義した式です。ですから、誤差そのものには問題がありません。測定値もまた測定結果として得られた値ですから、特に問題はないと考えられます。では、残った”真の値”って何ですか?という点が問題となります。だいたい実験とかをおこなうのは、真の値が不明である前提でおこないます。つまり、”真の値”が不明な状態で測定をおこなって、”真の値”を求めようとすれば、誤差を評価する必要があります。で、そのために”真の値”が必要となります。
 (??)数式の論理に矛盾があると理解できましたか? ”真の値”がわかっているなら、そもそも実験する必要も測定する必要もなかったりします。”真の値”がわからないから、実験するのに、”真の値”がわからないと誤差を計算できないのです。
 昔々から、この論理には矛盾がありました。この矛盾を解消する方法に、仮説検証があります。”真の値”を仮説として定め、測定結果から得られた誤差評価の結果としいて、仮説が正しいと証明されたならば、仮説で定めた”真の値”を本当の意味で”真の値”として評価するというものです。実験・実習では、理論値という言い方をしてることが多い。
 この仮説検証を基準とした評価は、現在でも多くの技術者が使っており、高等教育機関の大半でもおこなっていたりします。ですが、本当に仮説が正しいと証明できるのでしょうか?また、測定結果における”真の値”は、仮説条件にのみ影響を受けるのでしょうか?ここから科学者の混乱が始りました。
 測定精度をあげていけば、最終的に仮説検証可能であり、”真の値”を計測することが可能である。これが、仮説検証の前提条件ですが、徐々に崩れていってきたのです。どこまで測定精度をあげても、計測機が発達しても、誤差をゼロにすることはできません。結果的には、測定結果に誤差が存在し、仮説検証をすることが極めて困難となります。つまりは、”真の値”を求めることは極めて困難であるという結論となります。
 さて、論理的に証明困難な課題となった場合、どのように解決していくかなのですが、結果として現在は、測定値のみを評価対象とし、”真の値”が存在する範囲を定めるという方向に変わりました。ここから、”不確かさ”という言葉が生まれたのです。

 SI単位系は、あのアメリカも批准しましたから、ようやく世界中で使われる国際単位系となりました。ただし、SI単位系を変わらないものと考えてはいけません。現在のSI単位は、2006年に第8版が発行されています。大きな変更点は今のところありませんが、細かいところでは色々と変わってたりします。25.4[mm]を基準としたネジがアメリカで良くつかわれるとか、ディスプレイの大きさ評価とか、旧規格基準をSI単位で併記することで、旧規格基準の部品等を使用することができるようになってたりします。
 SI単位系が、計測評価に組み込まれていったのは、計測のトレーサビリティであり、これは”不確かさ”を評価し、計測機が、SI単位系の基準に対してどのような規定範囲内におさまっていることを証明していくシステムです。日本の企業もISO9000を取らざる得ない企業が増えましたが、これは、SI単位系による国際基準に準拠せざるを得ない状況から発生したものです。
 取得および維持コストがかかることから、企業によってはISOを放棄し、必要な時にISOに準拠した計測システムで評価試験を実施することで対応するという形態をとっています。結果的にISOを取得し、維持することで、必要な時に必要な企業へ必要な計測器を貸し出す企業も現れました。ここらへんが国際時代の新たなビジネスモデルとなっています。
 これからの企業は、総合的に”ものづくり”をどうとらえ、考えていくかをこういった側面からもきちんと考えていく必要があります。

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