« 論理演算3 論理演算と記号論理 | Main | 実験こと始め2 計算機と演算精度 »

April 27, 2009

実験こと始め1 モノをはかる

 何度も書いていますが、まぁ実験・実習で計測が始まりますから、改めて描いておきます。
<過去記事「誤差の伝搬」>http://sugc.cocolog-nifty.com/labview/2008/12/index.html
 モノをはかることは、対象となる量を決定することである。この決定についての考え方が、ここんところ変わってきている。これは、誤差の考え方に大きく表れている。不確かさ[Uncertainty]が、測定値のばらつきを評価する場合のパラメータとして規定し、実験結果をまとめて報告書を作成する場合に、測定結果に不確かさの評価を付記する必要がある。
 誤差=真の値-測定値
 真の値はあるのか、という話を前にもしましたが、定義値とされる光速やπといった値はともかくとして、真の値が存在すると信じ、追い求めることは可能である。しかしながら、学術的にはともかくとして、実験や実習をおこなう中で、無制限にコストをかけることが許されるわけではない。では、どこまでの精度を実験・実習の中で要求するかは、実験や実習によっても異なることから、国際文書GUMに準拠して指導していく基準を制定する必要がある。これは、計量というビジネスに必要不可欠な項目であるため、世界中で整合性を要求される項目となり、WTO/TBT協定に準拠して行わなければならない項目となっている。
 つまり、誤差を考えるのに、真の値で考慮するのではなく、測定値のみを判断基準として、真の値の範囲を策定する必要がある。計測値の評価は、下記の式を基準として、誤差範囲をどの程度と考えるかを、実験・実習の中で規定していく必要がある。
 真の値=測定値±誤差
つまり、誤差を求める式としてとらえるのではなく、”真の値”の範囲を策定するための式と捉える必要がある。

 WTO/TBT協定とは、国際商取引上に必要な、貿易の技術的障害[TBT:Technical Barriers to Trade]をできるだけなくすために国際基準化され、1994年5月にTBT協定として改訂合意され、1995年1月にWTO協定に包含され、WTO加盟国すべてに適応されたものとして定められている。
 WTOは、紛争処理の提訴に対して、加盟国すべての反対が必要であるという逆コンセンサス方式を採用している。このため、非常に強力な紛争処理能力を持っている。こういった状況を踏まえて、計量管理では、TBT協定についてはどうしても、無視できる状況にはない。計測制御分野でも、TBT協定の規定について、一定の確認をおこなう必要がある。
 これに伴って、あらゆる工学分野の基礎でもある、モノをはかることに関する学科・実験・実習では、新しい考え方に基づく、誤差論や統計解析手法を起点としてすすめていく必要がある。ま、本義的にはもっともきちんと確認するべき高等教育機関を含めた教育機関では、なかなかに浸透していない現状があるが、できることから始めていく必要はあるであろう。

« 論理演算3 論理演算と記号論理 | Main | 実験こと始め2 計算機と演算精度 »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 実験こと始め1 モノをはかる:

« 論理演算3 論理演算と記号論理 | Main | 実験こと始め2 計算機と演算精度 »

May 2021
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

Recent Trackbacks

Categories

  • つぶやき
  • コラム
  • スポーツ
  • トピック
  • ニュース
  • パソコン・インターネット
  • 日記・コラム・つぶやき
  • 書籍・雑誌
無料ブログはココログ