電気に使う数学って? 4
<電力三角形は過去記事参照>ですが、基本となる電気信号の考え方です。
レジスタンス成分、インダクタンス成分、キャパシタンス成分によって、電流信号と電圧信号にズレが生じ、発生する電力をすべて使えるわけではありません。実効電力、無効電力、皮相電力という形があります。これが、電力三角形となります。
インピーダンスは、電圧関数と電流関数の比率で算出されます。この時にレジスタンス成分は、周期信号で変化しないので有効成分となります。インダクタンス成分とキャパシタンス成分は、周期信号で変化しますので、無効成分として演算する必要があります。演算処理をする場合は、有効部分をX、無効部分を虚数jとして演算をおこないます。周期信号は、角周波数ωで表記します。(ω=2πf)
レジスタンスZr=R (R:レジスタンス値 [Ω])
インダクタンスZL=jωL (L:インダクタンス値[H])
キャパシタンスZc=1/jωC(C:キャパシタンス値[F])
電力三角形と同じように、Z=X+jYと表現され、大きさが|Z|=√(X^2+Y^2)、位相角がθ=tan-1(Y/X)となります。
インピーダンスの計算は、周期信号に対する回路の動きを計算する場合に必須となります。共振回路の計算式や時定数の計算式は、レジスタンス、インダクタンス、キャパシタンスから計算した結果を公式として使っています。フィルターや時定数の計算には、頻繁に使用されます。制御系では、主として周期信号を取り扱うことから、制御工学の基本式はjωの式で演算します。
« 数学コーヒーブレイク5「円周率π=?」 | トップページ | 数学コーヒーブレイク6 「周期と周波数と波長と」 »
コメント