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April 26, 2010

SIの基礎 その1

 SI単位[SI:Le Système International d'Unités(仏)]十進法を原則とした、普遍的な単位系である。
 国際商取引における、計量の統一をはかるためにも、単位系は世界中で統一されている必要がある。SI単位は、国際通商と貿易における必須の単位系として活用されている。現時点では、2006年版がSI単位の最新版ということになる。
 歴史的な流れで言えば、18世紀末のフランス革命によって、ルイ王朝が倒されマリーアントワネットが処刑された後、1790年3月に国民会議での提案によって、世界中に様々ある単位を統一し、新しい単位を創設することが決議された。この度量衡を統一する事業は、フランス革命の一環として進められ、フランス科学アカデミーに委員会が設置された。いくつかの案があったが、地球の北極から赤道までの子午線弧長の1,000万分の1 がメートルの単位として用いられた。1798年に白金製の「メートル原器」が作成された。このメートル原器が、1メートルの基準として採用された。これは、北極から赤道までを、再計測した結果、10002288メートルであったためである。1875年に、メートル原器を基準としたメートル条約が締結され、日本は1885年[明治18年]に条約に加入している。メートル原器が30本製作され、No.22が日本に配布されたそうである。
 現在は、1/299792458秒間に光が真空中を伝わる行程の長さが、1メートルと規定されている。
 国際度量衡局[BIPM:Bureau International des Poids et Mesures(仏)]は、国際度量衡委員会[CIPM:Comité International des Poids et Mesures(仏)]の管理下にあり、国際単位系を実現するための研究等が行われている。

 計測技術の範囲では、SI単位は国際度量衡局の制定に基づいた、7つの独立単位を話となる。しかしながら、現在の計測工学は、計量管理が含まれており、ISOの規定に基づいた、トレーサビリティを含めて話をしなければならない。
 国際交易の拡大に伴って、各国の貿易における紛争調停が頻発し、調整が国際会議でおこなわれるようになった。関税および貿易に関する一般協定[GATT:General Agreement on Tariffs and Trade]ウルグアイ・ラウンドにおける合意によって、世界貿易機関を設立する協定(WTO設立協定)に基づいて設立された。
<WTO/TBTについて>http://www.jisc.go.jp/cooperation/wto-tbt.html
 世界貿易機関[WTO:World Trade Organization]は、自由貿易促進を主目的として創設された国際機関である。
 1.自由貿易(関税の低減、数量制限の原則禁止)
 2.無差別(最恵国待遇、内国民待遇)
 3.多角的通商体制
 を原則としている。また、物品の貿易だけでなく、金融、情報通信、知的財産といったサービス貿易を含めた、包括的な国際通商ルールを協議する場である。上記の3項目を基本原則として、紛争処理をおこなっている。提訴に対しては、全加盟国が反対しなければ採択される、ネガティブ・コンセンサス方式を採用しているため、非常に強力な紛争処理能力を持っている。
 計測管理上で知っておかなければならない項目は、WTO協定の付属書1AEに関する貿易の技術的障害に関する協定[TBT:Agreement on Technical Barriers to Trade]協定である。TBT協定は、加盟各国に対して、規格類を国際規格に整合化することで、不必要な貿易障害を取り除くことを目的としている。この協定は、一部を除き、工業製品および農業産品を含むすべての産品について適用される。
 さらに、対象となる規格は広く、製品の仕様類に関する要件や、生産や活動に対するマネージメントシステム、それらを用いるための技術仕様等を含めて規格対象としている。また、貿易に関する技術的障害の軽減および除去のために、必要性が生じた要件の導入や変更が、WTO事務局を通じておこなう「TBT通報」によって、加盟各国に報告される。技術的な用語や定義については、国際標準化機構[ISO:International Organization for Standardization]および国際電気標準会議[IEC:International Electrotechnical Commission]に準じると定められている。
 計測関連では、ISO9000シリーズに準拠して実施される、ISO9001:2008版の7.6 監視及び測定機器の管理に規定されている。
 要求事項に対する製品の適合性を実証するために、組織は、実施すべき監視及び測定を明確にしなければならない。また、監視および測定機器を明確にしなければならない。測定値の正当性が保証されなければならない場合には、測定機器に関して、次の事項を満たさなければならない。
 a)定められた間隔または使用前に、国際または国際計量標準にトレーサぶるな計量標準に照らして、校正もしくは検証、又は両方を実施する。標準が存在しない場合には、校正又は検証に用いた基準を記録する
 b)機器の調整をする、または必要に応じて再調整をする
 c)校正状態を明確にするための識別をおこなう
 d)測定した結果が、無効になるような操作ができないようにする
 e)取り扱い、保守及び保管において、損傷及び劣化しないように保護する。
 さらに、測定機器が要求事項に適合していないことが判明した場合には、組織はその測定機器でそれまで測定した結果の妥当性を評価し、記録しなければならない。組織は、その機器及び影響を受けた製品すべてに対して、適切な処置をとらなければならない。校正および検証の結果を、記録を維持しなければならない。
 このISO9000への準拠に伴って、計測機器のコストが非常に大きくなったのは事実である。各メーカにとって、計測機器の購入や維持管理コストが高くなったため、購入するのではなく、必要期間リースする企業が増えたのは事実である。こういった状況に伴って、国際規格そのものが、巨大なビジネスモデルを生み出すこととなった。このことは、技術者教育にとっては、企業側に大きな課題を残しているのも事実としてある。
 維持管理コストの増大から、ISO9000準拠を更新しない企業が増加しているのも事実である。しかし、安全管理を含めて、国際規格が多岐にわたって浸透している状況を考えると、今後も規格への準拠にかかるコストの増大は止められないと推測される。こういった、国際規格に準拠する企業とできない企業との格差が拡大することも事実であり、こういった格差是正についても、なんらかの対策が必要となるが、どうなることやら・・・

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